Q:令和2年の10月に父が死亡し、自宅について母が配偶者居住権を、私がその所有権を取得しました。
私は父母と同居しており、今後の引き続き同居する予定です。
自宅の敷地は200㎡で、私なりに路線価に敷地面積を乗じて評価した相続税評価額は8000万円(うち配偶者の敷地利用権は2000万円)です。
私が相続した自宅の敷地について小規模宅地の特例は適用できますか?
適用できる場合は、母と私で適用できる面積の計算方法について教えて下さい。
A:
江東区門前仲町の税理士 渋谷広志(しぶやひろし)です。
ご質問ありがとうございます。早速ですがご回答させて頂きます。
1.配偶者居住権が設定された宅地に小規模宅地の特例が適用できるか?
特定居住用宅地として、ご相談者様及びお母さま双方に適用できます。適用するにあたり、お母さまは要件はございませんが、ご相談者さまは、「相続開始の直前から相続税の申告期限まで引き続きその建物に居住し、かつ、その宅地等を相続開始時から相続税の申告期限まで有していること」も要件とされていますのでご留意ください。
2.適用できる場合の適用面積の計算方法
次にお母さまとご相談者さまが適用できる面積ですが、自宅の敷地をそれぞれが取得した評価額で按分します。具体的にはご相談者様の事例ですと、次のとおりになります。
【ご相談者様の事例】
お母さま 200㎡ × 2000万円 / 8000万円 = 50㎡
ご相談者さま 200㎡ × 6000万円 / 8000万円 = 150㎡
3.仮に限度面積をオーバーする場合は、どちらから優先適用すべきか?
ところで、他にも小規模宅地の特例が適用できる土地を所有していたり、自宅の敷地が330㎡を超える場合、配偶者と子供のどちらを優先適用したらよいかという質問を受けるケースもあります。通常は、子を優先して小規模宅地の特例を適用した方が有利になるケースがほとんどですが、必ずシュミュレーションをして確認してください。
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このコラムは、2021年1月25日時点の法令により作成しているため、今後の法改正により異なる取り扱いとなる場合があります。
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